5年乗ったスズキ カプチーノを降りるのでざっくりレビュー

こんにちは。じゅけいです。

 

このたび、5年ほど乗っていた車(スズキ カプチーノ)を降りることにしました。人生初のマイカーであるこの車、せっかく5年も乗ったんで、個人的な今後の車選びの参考によかったところ、悪かったところなどをまとめておこうと思います。

 

概要

スズキ カプチーノは、スズキが1992年に発売した車です。軽自動車でありながら2人乗りオープンカー、FR、4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションと普通車スポーツカー同等のかなり贅沢なパッケージングを与えられているのが特徴です。

エンジンは同社のアルトワークス同様に、自主規制枠目いっぱいの64馬力です。

ミッションはだいたい5MTですが、後期型には3ATがありました。

同時期に誕生した2シーターの軽自動車スポーツカーである「ホンダ ビート」、「マツダ オートザムAZ-1」とあわせてABCトリオと言われています。

 

良い点

 ・かっこかわいいデザイン

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これがカプチーノです。スポーツカーの王道であるロングノーズショートデッキ(簡単にいうと前が長くて後ろが短い)です。その一方で全体的に丸っこくて小さいです。かっこかわいいデザインだと思っています。私がこの車を買った理由のひとつにはデザインもありました。個人的に一番気に入っていたのはまるっとしたお尻でした。まあリアは自分が運転しているときは絶対見えないんですが。

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 ・街乗りでも超楽しい

とにかく運転していて楽しい車です。車体が小さく、重量はわずか700kgと軽量なので動きが非常に軽快です。絶対的な速度は出ませんが、車高が低いのでスピード感はめちゃくちゃあります。実速度の1.5倍くらい出してる感覚を味わえます。

運転感覚はゴーカートに近い感じです。屋根とエアコンとオーディオのついたゴーカートです。だから街のりで40km/hとかで走ってるだけでも非常に楽しいです。古い住宅街とか普通の車だと道はせまいわくねくねしてるわで非常に気を遣いますが、こいつの場合は楽しく走れます。国土の狭い日本で楽しく走るならハイパワーなスーパーカーよりもこういう軽量スポーツカーのほうが向いているんではないかと思います。

 ・維持費安い

22年~27年落ちというネオクラに片足突っ込んでるような年式の車ですが、結構維持費は安いです。そもそも軽自動車なので税金等は重課がかかったって安いです。燃費も軽いおかげで街乗り14km/L,高速18km/L程度と思ったより伸びます。スポーツカーという枠でみればトップクラスです。

そして古い割には、壊れるとめんどくさい部分は思ったより丈夫です。

仮に壊れたとしても割とまだ純正部品は出ますので、修理費用もそう高くはないです。

ちなみに維持とはやや離れますが、チューニングパーツも豊富かつ安いです。まだまだ新品パーツがたくさんあります。整備性もよいのでDIY整備も結構やる人が多いです。 

 ・スポーツ走行にも十分使える

安いし割と丈夫だしパーツもたくさんあるしということで、サーキットとかのスポーツ走行にもガンガン使えます。古くて玉数もそう多くない割にはスポーツ走行に使用されている個体も多いように感じます。

私はたまにジムカーナとかやってました。先述したとおりノーマルだと絶対的な速さはないのですが、小さいし小回りが利くんで、くねくね細かい走りが求められるこの競技にはうってつけです。

ちなみにこの車、エンジンが丈夫なので結構なパワーアップにも耐えられます。元々64PSのところ80とか100PSくらいにパワーアップできるキット的なものも安価に出回っています。そういったパーツを使ってちゃんと改造すると普通車スポーツカーと渡り合えるくらい速くなるらしいです。ちっちゃかわいい軽自動車がスカイラインとかを追い回す構図、ジャイアントキリング感あってロマンありますね。

 ・ABCの中では一番実用的

この車、ホンダ ビートとかマツダ オートザムAZ-1とあわせてABCトリオと呼ばれると書きましたが、トリオにされるくらいなので割と比較されます。各々に特徴があるのですが、実用性という面ではカプチーノが最も優れています。

まず、トランクがほぼないビートやAZ-1と比較すればまだ使えるトランクが載っています。車内にもシートバックにかばんがおけるスペースが確保されています。2人で乗っているときにはトランクにわざわざ物をいれなくても済むので便利です。

また、車内は旧規格の軽自動車なのでせまいんですが、縦方向には案外スペースがあるので一応脚を伸ばせます。

 

悪い点

 ・そうはいっても狭い

先ほどトランクがまだ使えるだの、縦方向にはスペースがあるだのいいましたが、これはあくまでオープン2シーター軽自動車というスペース的には圧倒的に不利なジャンルの中ではましという意味です。車全体でみると相当にせまいです。

特に幅が1400mmくらいしかないので横方向はせまいです。ハンドルを握ると右はすぐドアです。シフトレバーを触ろうとすると同乗者の腿に触れることもあります。大柄な男二人でのるとむさくるしいと思います。カップルで乗るならば、彼女に近づけていいかもしれませんが...。

せまいんで、バケットシートなどの内装関連のパーツは選択肢が限られます。

 

 ・ボディ弱い

古いオープンカーということでボディは弱いです。段差を越えるとミシッとかいいます。車のボディはよれるということが感じられる車です。

ボディが弱くてオープンカーなので、幌屋根ではありませんが雨漏りもします。

ちなみにこの雨漏り、スポーツ走行をやるとボディがよれて治ることもあります。悪化することもありますけど...。

あと、この車はさびにめちゃくちゃ弱いです。めっちゃ安い個体とか雪国にいた個体とか買おうとするときは大事な部分にさびがないかをよく確認することをお勧めします。シート裏とかさびやすいので注意です。

 

 ・低い衝突安全性

古い軽自動車ということで衝突安全性は低いです。ノーズが長い分だけ前方からの衝突安全性はましかもしれませんが、現代車に比べられるもんではないと思います。安全装備はほぼなしです。自動ブレーキはもちろんエアバッグすらありません。

一般道では楽しみつつ安全運転を心がけましょう。この車でやらかしたら洒落にならんことになると思います。

 

 ・4穴114.3

この謎のタイトル。なんのことかというとホイールの規格です。ボルト穴4つでナット座ピッチ直径(P.C.D)が114.3mmということです。実はこの規格ちょっと珍しいです。(軽自動車だと4穴100が多い)ホイールの規格が珍しいと何が起こるかというと、社外ホイール探しにやや苦労します。ヤフオクでいいホイールあった!と思ってよく見たら4穴100でガッカリするのはカプチーノオーナーあるあるの一つだと思います。

その他雑感

 ・案外オープンにはしない

この車は先述した通りオープンカーなのですが、案外オープンにはしません。私は5年乗ってましたがオープンにした回数は10回もないです。街でもオープン状態のカプチーノはあまり見かけません。

というのも、屋根を外すのがめんどくさいんです。5分くらいはかかります。

ちなみに方法は

①屋根を止めるフックをはずして、3分割された屋根のうち、まず左と右の屋根を取る。取った屋根は付属の専用収納袋にいれてトランクへ

②真ん中の屋根を同様に取る。こちらも専用収納袋に入れてトランクへ

③リアウインドウをおろすレバーをひきつつ、屋根を押しておろす

 

①でとめるとTバールーフ、②でとめるとタルガトップ、③でとめるとフルオープンとなります。何もしていないクローズ状態とあわせて計4種類の屋根形式を1台で楽しめる!というのも売り文句のひとつだったらしいです。うまいこと作ったなあと思います。

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屋根を押さえるフック

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リアウインドウをおろすレバー

 

 ・高速域は苦手

欠点というより特性ですが、高速域は苦手です。常用回転域は3000rpmとかなり高めで、更に80km/hで5速3000rpmに到達します。100km/hも出すと4000rpmになるので結構な音がしますし、後述する電動パワステも相まって走ってる最中にどっかすっ飛んでいきそうな感覚を覚えます。事故るとまずいしのんびり走りましょう。

 

・異様にやる気のあるメーター

タコメーターは謎に12000回転まで切ってあります。純正でも11000までキッチリまわせます。なおレッドゾーンは8500回転くらいからです。

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 ・リミテッドのパワステはゆるゆる

私の所有していたリミテッドというグレードには電動パワーステアリングがついています。標準車にはパワステはありません。しかしこの電動パワステ、めちゃくちゃ軽いです。加減を知りません。指一本で回せそうな勢い。

 

 ・がんばれば旅行できるぞ

実用性は低いと言いましたが頑張れば旅行できます。私はこの車に2人乗った状態で3泊4日くらいの旅行をやったことがあります。トランクキャリアも駆使してキャンプとかする人もいるらしいです。ただもちろんトランクは満載になるのでオープンは無理ですが…。

 

まとめ

 ABCトリオの中ではもっともとっつきやすい一台。街のりでも超楽しいです。あの楽しさは旧規格ゆえのゆるさ小ささもあるので、現行車では味わえないかも。

そうはいってもネオクラに片足突っ込みかねない年式なので積極的には進めにくいです。もろもろ注意点あります。

普通に軽量FR乗りたいならロードスターあたり、軽スポーツのりたいならコペン、S660あたりのほうがとっつきやすいし楽だとは思います。

ABCトリオにとりつかれたらこちらを選ぶのが最も無難でしょう。

結構癖のある車だったので、ある意味人生初のクルマだからこんなに乗れたのかもなあと思っています。

 

おしまい