アコードユーロR(CL7)を買って1年弱経つので感想
一昨年の10月に今まで乗っていたスズキ カプチーノを手放し、新しい車を買いました。買った車はホンダのアコードユーロR(型式:CL7)です。
買ってから1年半くらい経ちましたので、自分の今後の車選びの参考に良かった点とか悪かった点とかまとめます。
ちなみに前車を降りるときに書いたレビュー記事はこちら
概要(どんな車か)
アコードユーロR は、ホンダのミドルセダンであるアコードのスポーツグレードです。欧州ではタイプRの名前で売られていたそうです。私が乗っているのは2002~2008年にかけて売られていたモデルで、アコードとしては7代目、アコードユーロRとしては2代目に相当します。
標準車とは違う仕様は大体下記の通り
・2Lで最高出力220PSを発揮するスポーツエンジン搭載(DC5型インテグラタイプR、EP3型FD2型シビックタイプRと同じK20A型です)
・6速マニュアルミッション搭載(この型のアコードではユーロRだけ)
・純正でLSD装着
なんでこの車を買ったのか
下記条件を満たす車ということで探した結果です。
- 荷物と人が積める車がいい
荷物が全然乗らず人も二人しか乗れなかった前車カプチーノの反動です。
- エンジン車に乗れるのも残り僅かなのでいいエンジンを積んだ車に乗りたい
今後どんどん車のEV化やHV化が進む中で、エンジン車に堂々と乗れる時間は残り少ないという認識がありました。その中で「優れたエンジン」、それも高回転型のNAスポーツエンジンを積んでいる車に乗れるのは今しかないと考えたためです。後述しますがこの車のエンジンめっちゃいいんです。
- 気安く乗れるくらいの値段
「悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけ」なんて言葉があるように安いことを理由で買い物をしちゃいかんとはよく言われていますし、実際にそうだよなとも思います。
ただ車は乗りものです。傷がつくとか汚れるなんてことは全然あり得ます。そうなったときにあまりに高い車だとガチ凹みしてしまうので、楽しく乗るためにはそれなりに安価であることも重要と考えています。車を美術品のようにとらえる人もいますが、私は乗り物なんだから乗らなきゃという思いがありますので。
- 大きすぎないボディサイズ
日本の狭くてくねくねした道では大きくて重すぎる車では気軽かつ楽しく乗れないという気持ちがあったためです。(ただしアコードは全長4.67m、全幅1.76mとそれなりに大きい車です。ここは若干妥協しました)
ちなみに他にはEP3型シビックタイプRとか2ZZエンジンを積んだカローラフィールダー・ランクス、カローラGTあたりで迷っていました。
私の個体の説明
私の個体は2008年式です。(後期型に相当)走行距離は約70000kmでした。
買ったときから社外品(TEIN製)の車高調と社外マフラーが入っていました。またタイヤも純正の17インチから18インチにインチアップされていました。その他エアクリとかタワーバーとか色々入ってて正直どこまで純正でどこから社外かわかりきっていません。
色々純正から変わってますしそもそも中古車は個体による経年劣化とかでも結構乗り味変わるので、乗った感触についてはあくまで一つの意見としてとらえていただけると幸いです。
良い点
最高のエンジン
インテグラタイプRとかシビックタイプRとかと同じエンジンを積んでいますと書きましたが、このエンジンが素晴らしいんです。
- 「低回転時のトルクと高回転時のパワーが両立されている」
- 「自然吸気故の応答性の良さ」
- 「5000回転あたりから排気音が甲高い音に変わり、パワーが強くなる」
が特徴です。
特に③で書いた高回転時に変わる甲高い「ンバァァァァ」と表現される排気音は「VTECサウンド」などと呼ばれて割と有名です。高速の合流とかで意味もなくアクセルを踏み込んで音を出したくなります。購入後、最初にアクセルを踏みこんでこの音を聞いたときは「ああ買ってよかったなあ」と思ったものです。
比較的安価な市場価格
先述した通りの優れたエンジン故にこれを積んだシビックタイプRとかインテグラタイプRは中古車市場では結構高い相場で取引されています。
しかしその中ではアコードユーロRは相場が安めです。私がこの車を買った2019年10月ごろでは100万円台前半で買える個体が大半でした。
これは
- タイプRではないのでブランド面で劣ること
- タイプRとは異なり買ってそのままサーキットに持ち込めるほどのスポーツ走行用装備はないこと
- ベースがミドルセダンなのでスポーツ走行するには重く大きいこと
が理由かと思いますが、街乗りが主体の私にとってはそこまでのスポーツ走行用装備は不要なので構いません。こういう需要の穴場を突いたお得な買い物ができると嬉しいものです。
(最近は相場が上がりつつあるようです。2021年2月時点で150万くらいが平均でした。これから買う方はご注意を)
その気になれば車中泊できる広さ
前輪駆動のミドルクラスセダンなので、車内は広々しています。大人4人快適に乗れますし、5人でもそんなに狭苦しくないと思います。私は後ろ乗ったことないので推測ですけど。そして荷室も思ったより広いです。大人4人乗せて荷物積んで旅行もいけます。
さらに後席が倒れるトランクスルー機能がついており、写真の通り広いスペースが得られます。
これだけ広ければマイナー動物が何頭入るか…は分からないですが、奥行きが170cmくらいはあるので人が寝転ぶことができます。実際にネットを探すとトランクスルー機能を使って荷室で車中泊してる人もいます。この前実際に仮眠に使いましたが結構快適でした。
車格なりの高級感
元がミドルクラスセダンなので当然といっちゃ当然ですが、コストがそれなりにかかった内装をしています。
センターコンソール・アームレストは布張りですし、天井も柔らか素材を使っています。ドリンクホルダーも蓋がついていてエアコンも左右独立オートエアコンです。
エンジンと広さ目当てで買ったのでインパネの質感は全く期待していませんでしたが、実際に乗ると結構身に沁みます。
高い剛性感
前車がボディのきしみが分かるほどのペラペラ軽自動車だったからか、初めて乗ったときに剛性感に感動しました。ちょっと飛ばしても怖さがありません。安心感が違います。
気になる点
社外品インストール困難な独自規格オーディオ
車のオーディオというのはDIN規格という統一規格で作られていることが多いのですが、この車のオーディオは独自規格です。そして独自規格ゆえにDIN規格の社外オーディオはそのまま付けられません。
独自規格だからインテリアとは確かに調和していますし、ナビ付グレードの場合、エアコンの制御もナビ側で行うことができます。(私の個体もそうです)
エアコン制御もナビ側で行うということはナビをいじる=エアコン操作系をいじる であり、なおさら換装のハードルが上がるわけですが...。
じゃあ純正でいいじゃないかというとそうではなく、さすがに10年以上前のオーディオシステムなのでスマホ連携とかはできず、CD使用が基本です。ナビも画質に古さが否めませんし、そもそも地図データが古く、更新も終了しています。ナビはスマホナビ使うからいいとして音楽を基本ストリーミングで聞く私としては今さらCD揃えるわけにもいかないので、オーディオくらいは変えたいなーと思うものです。
これが大衆車だったらおそらく安直にDIN規格オーディオなわけで、コストがかかってる車故の罠だなあと思います。
まあ社外オーディオを付ける方法はないわけではなく、ナビ下の小物入れスペースにDIN規格のスペースを作り出してオーディオ取付と使用ができるようにするステー配線キットとか、エアコンの操作スイッチごと交換してしまう海外製のステーキットがあります。私も前者のステー配線キットを買ってきてナビ下に1DINオーディオを付けました。
↑購入したステー配線キット。リンクはAmazonですが私は楽天経由で買いました。
ただ前者の場合は取付位置がナビ下なので2DINサイズのカーナビをつけても見えづらいし、そもそも元がナビ付グレードだと1DINスペースしか作れないし、ステーだけで30000円くらいします。あとDIY施工しましたがこれが結構大変でした。
後者の場合は、見やすい位置にナビをつけられますが海外製なので左ハンドル仕様になっているためエアコンの左右の制御が逆になったり、オートエアコンの制御が雑になったりするそうです。また先行事例はあるがそもそも物自体が絶版になっていることもあります。
どの手段も完璧とは言えません。
ちなみにアコードには上等なオーディオがついたグレードもありますが、そちらだとオーディオシステムとの兼ね合いで更にめんどくさいようです。社外オーディオ取付前提でこれから買う人はナビなし純正オーディオだけの個体を意識して選ぶと後がちょっと楽かもしれません。
否定できない重さ
前車が車重700kgのボディペラペラ軽自動車ですから比べるのも酷な話ですが、山道を走っているとやはり車体の重さは否めません。実際に車重は約1400kgとほぼ倍です。まあ剛性があるからか、思っていたよりは山道でもよく動いてくれるのですが、軽快感という意味ではやはり劣る気がします。ハンドルとかも比較的重めになっており、それも効いているのだと思います。
まあミドルセダンというのは高速道路巡行とかの方が本来得意なわけで、高速巡行においては車自体の重たさも、操作系の重さも、「安定感」という形でプラスに働きます。
だからこれは日常アニメに「事件が起きなくて退屈だぞ!」と文句垂れるくらいにナンセンスな指摘ですし、当然軽快感がなくなることは分かっていたのですが、なくなってみると割と恋しいものですね。
最後に
色々書きましたが、総体として結構今の車には満足しています。スポーツ走行から人をたくさん乗せたドライブから車中泊まで割となんでもできる車で、1台でたくさん楽しめる車だなと思ってます。
実際のところはスポーツ走行もまだこの車でやってないし、車中泊もやってはいないわけですが、「やろうと思えばできる」というのはやはり大事です。
またオープン2シーター軽自動車からミドルセダンと、結構性質が違う車に乗り換えたわけですが、それゆえに前の車についても今の車についても気づくところが結構あり、次の車選びの参考になるので良かったなと思います。
今年はこいつでまだやっていないスポーツ走行をやりたいなあと思っています。やったら感想も記事にするかもしれません。期待せずお待ちください。
おしまい