『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』を読みました(読書感想)

こんにちは。

今週のお題「読書の秋」はまだ続いているみたいですね。

ということでまた読書の話。

表題の通り、

発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』

を読みました。

実は最初に読んだのは7月くらいで、最近また再読してました。

 

この本は、発達障害を抱えながら不動産営業マンとして働く著者、借金玉さんが、「仕事」「人間関係」「生活習慣」「依存」「生存」の5テーマに関して、様々な工夫とトライアンドエラーを重ねて編み出した31の「ハック」を紹介するというものです。

発達障害を抱える方が読むことを念頭に置いて書かれていますが、紹介されるハックは発達障害ではないけどうまく人生を送れない人(たとえば私...)にも有効です。

そして何より文章がおもしろい。この手の本にありがちな説教臭さみたいなものが全くなく、楽しく読めます。

 

個人的にこの本の中で、特に良かったなーと思う部分について書きます。

ちまちまネタバレが入るので未読で気にされる方はスキップ推奨です。

 

1.役に立つし覚えやすい概念、ワードがたくさん。

 ハックの中身が良いのはもちろんなんですが、借金玉さんのワードセンスが素晴らしく、特徴的な概念、ワードがたくさん出てきます。

「仕事」の章で出てくるハックの三原則「ぶっ込み」「一覧性」「一手アクセス」

「人間関係」の章で出てくる「会社は部族である」「見えない通貨」

などなど...

 

社会生活はペーパーテストとは違って、手にした知識をいつ何時どのように使うかわかりません。だからこそ覚えやすいってのは大事です。いくら有用な知識や考え方でも、覚えてないと、使うべきときに使えません。

そしてこれは本書でよく語られている「見えないものは存在していないもの」に近いような気がします。

 

 

2.「自分を変える!!!」のではなく、いかに環境や道具を変えてそのままの自分で生きれるようになるか という考え方

 自分を変えるのに使うリソースは得意な部分を伸ばすのに使った方が効率的なのは確かにそうだよなと思いました。

著者は発達障害を患ってるので、そうしなければならなかったのかもしれません。ただ定型発達とされていても、人間には得意不得意はあります。不得意を乗り越えた先によほどなりたい姿があるとかでもない限りは、得意を伸ばし不得意はうまくごまかして生きる方が良いように思います。

 

3.「生存」を何より優先する考え方

 自己啓発本というかノウハウ本って、なんか上昇志向が強すぎて有用だけど読んでて疲れる物もあります。

そこで語られるベストな像と、そうではない自分との差を目の当たりにして心が沈んできてしまうのです。

一方、この本の後半では、「生存」やそのための「休養」の重要性が強く語られています。努力はやりたいときにやれる環境が整っているときにやればいい とさえ書かれています。そして、生存のために必要な休養の取り方や「自己肯定に根拠はいらない」といった生存のためのマインドが説明されています。

だから読んでると、非常に救われるような気持ちになれます。「色々やらかしまくってる自分だけど、生きていていいんだ。」と思えます。そして、そうやって心に余裕ができると、不思議と「もうちょい頑張っちゃおうかな」という気になってきます。


この考え方、人によっては、「そんなの甘いぞ!」って思うかもしれません。しかし無理をした結果心を病んだり死んだりしたら意味がないわけです。著者は実際そういう経験をされているからこそ、「生存」の重要性をよく認識されているのでしょう。甘く生きられるのならば、それに越したことはないよなあと思います。


人生100年時代、無理して瞬間的に高い成果を出すよりも、適切に休みを取りつつも自分のペースで継続的に成果を出し続ける方が結果的に人生全体では高い成果を出せると思います。無理をして壊した体や心は取り戻せないので…。

 

 

他にもありますが、主にはこの3点です。またもう少し時間が経ったら再読したいなと思います。

 

おしまい。