暇よさらば!時間が溶けるゲーム『Hearts of Iron4』を紹介

はじめに

書きかけの下書きを眺めていると今週のお題「おうち時間2021」という文字が見えました。というわけで私の「おうち時間」を独占するゲームである『Hearts of Iron4』についての紹介とその魅力を書きます。

おうち時間が暇で暇でしょうがない人には非常におすすめなゲームです。いくらでもステイホームできるようになります。やりこむほどに楽しく、そして勉強にもなります。

ちなみに私のプレイ歴は1年8ヶ月くらい。プレイ時間は先ほど(2021年5月4日)確認したら380時間くらいでした。パラドゲー界だとまだまだひよっこだと思いますが、ここまでひとつのゲームをプレイしたのは学生時代以来です。

 

どんなゲームか 

第二次世界大戦頃の世界を舞台にしたストラテジーゲームです。プレイヤーはこの当時存在した任意の国のトップとして、内政・軍備増強・外交そして戦争を行います。

Paradox Interactiveというスウェーデンの会社が2016年に発売したゲームです。ちょっと古いですが今でも新DLCが出てきます。

後述する通り、決められた目的というものはないのですが、WW2を舞台にしたゲームなので、工場や造船所を立てたり技術研究を行ったりして兵器・戦艦・戦闘機をそろえ、徴兵や軍事訓練で軍を大きく強くし、戦争に勝てる国を作り、混迷する時代を生き延びる...という感じのゲームです。

steamでソフトを購入してパソコンで遊びます。

steamを見ると日本語対応していないと書いてありますが、有志の方が日本語化MODを作成してくださっているので、それをいれることで日本語でのプレイが可能となります。

いいところ

・細かい作り

このゲームの素晴らしさはまずその細かさです。先ほど「当時存在した任意の国」と記載しましたが、当時存在した国であればすべての国で遊べます。ドイツ・イギリス・フランス・日本・イタリア・アメリカ・ソ連など大国はもちろんのこと、WW2にはほとんど介入していない小国や満州国やタンヌ・トゥヴァ*1など一部の国しか認めていなかった国でも遊ぶことができます。

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この画面にある国すべてで遊べます(日本周辺が見切れてますが当然含みます)

また、国を強く(工場を増やす・技術研究のレベルを上げる等)する国家方針という要素がこのゲームにはあります。これをゲーム内時間70日(35日の場合もある)ずつあみだくじのように上から選択していくのですが、一部の国には史実に準拠されたものが用意されています。例えばドイツだと、国家方針を選んでいくことでオーストリア併合・ズデーテン割譲・メーメル割譲を行って世界に喧嘩を売りつつ独ソ不可侵条約を結び、ポーランドに電撃侵攻して第二次世界大戦に突入し、パリを占領して西ヨーロッパを押さえて何年かしたら不可侵条約を破って独ソ戦へ....といった史実に近い挙動をすることができます。(AIも基本的には史実準拠の行動をとります)

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ドイツのNF(一部抜粋)。赤丸で囲ったのが言及したオーストリア併合・ズデーテン割譲・メーメル割譲

将軍や国家元首も当時の人物が実名及び顔写真風の似顔絵付きで登場しますし、兵器も当時の物(ティーガーとかパンターとか)がそのままの名前で登場します。これは大国だとほぼ完全に、中小国だと一部は汎用設定ですが、有名どころは史実に準拠した人や兵器が設定されています。更に戦争ゲームなので、軍の編成についても細かいところが設定可能で、師団編成だったり、前線ごとの軍の数やそこを担当する将軍も細かく指定可能です。こういう細かい設定を読み込むだけでいくらでも暇をつぶすことができます。

・高い自由度

先述の細かい要素ですが、基本的には自由に設定することが可能です。どこに工場を建てて、陸軍海軍空軍のどれを重視して、陸軍内でも戦車中心にするか騎兵中心にするか歩兵中心にするかなどは、史実通りにする必要はなく自国の工業力や国際情勢などを考慮して自分で決めることができます。

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工場建設画面(国はオランダ)

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兵器生産画面。(国はオランダ)小銃を1工場割り当てて生産しています。終盤だと国によっては100以上ある工場で15品目くらい並行して生産することになります

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戦車の研究画面(国はオランダ)。研究を進めないと戦車でパンツァーフォーもできません。

また、根本から史実に沿わないゲームプレイの選択肢も用意されています。(DLCが必要な場合もありますが)

史実では中立を守っていた国でも戦争に介入することもできますし、史実とは異なる陣営で戦争に参加することもできます。

一応実績機能はありますが、PSのトロフィーみたいなもんなので別に必須ではありません。戦争ゲームですが、積極的に戦争しないでもくもくと自国の工業力強化に取り組むことだって全然可能です。(史実で戦争に巻き込まれる国は嫌でも巻き込まれちゃいますけど...)

・深すぎるやりこみ要素

細かい要素を自由に設定できるということで、やりこみ要素は相当なものです。正直初めて半年くらいは何が何だかさっぱりわかりませんでした。わけもわからずプレイして自分の国よりずっと弱い国に負け、どうしたら勝てるんだとwikiで色々調べて知識をつけてを繰り返しているうちに、うまくプレイできるようになります。

初めて第二次世界大戦を自力で終結させられたときの達成感といったら相当なものでした。

こうやって慣れていくと、どうすればうまく勝てるかということを自然と考えられるようになります。同じ国を同じ目標でプレイする場合でも、どこに工場を建てるか、どの武器を生産するか、どこから攻めるか等、選択肢は様々。それを当時世界にある何十もの国についてできるわけです。

また、史実に近く細かく設定された世界で好きなようにふるまえるわけなので、史実同様に世界の民主主義を守る連合国になるのも、史実では敗北した枢軸国を勝利に導き世界史を書き換えるのも自由です。ロマンですね。

私は先述の通り380時間くらいプレイしていますが、普通のゲームだとこれくらいやれば全体ボリュームの半分以上は遊べていると思います。ただこのゲームについては、まだ全体1/4くらいしか遊べていないなという印象です。

・MODでさらに拡大する自由度

他の海外製のゲーム同様にMODが充実しています。機能追加とかゲームプレイをより快適にするようなものも色々ですが、個人的に注目すべきはそもそも前提が史実とは異なるIF世界線で遊べるというMODです。

例えば『Kaiserreich』というMODがあります。これはWW1でもし中央同盟国(ドイツ・オスマン帝国オーストリア)が勝利していたら...というIF世界を舞台にしたプレイができるです。

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Kaiserreichの世界地図

この通り、記事の最初に載せた地図と同じ1936年なのに全く異なる地図になっています。当然ながらこの先の歴史も違うものになります。各国の元首とかを眺めているだけで2時間くらい余裕で過ぎます。

有名どころだけでもこういったMODが他に何個かあります。また、同じ歴史だが時間軸が違うもの(現代世界とかWW1とか)や、都道府県に分かれて戦争できるMODもあります。これらは世界中の有志の方が製作されているものなので、ありがたいことにほとんど無料でプレイできます。一粒で二度も三度も四度も美味しいわけです。しかも一粒はめちゃくちゃでかいのです。遊びきれる気がしません。

人生にも役に立つ?かもしれないところ

ゲームというのは楽しければそれでいいと思いますが、効率厨であることを求められる社会人は役に立つのかという邪な考えを趣味に対して持つこともあります。そんなあなたにも安心。このゲームは人生に役に立つ(?)要素もあります。

・現実逃避に最適

先述の通りやりこみ要素だらけで結構難しいゲームなので、ちゃんと頭を使う必要があります。そのため現実逃避には最適です。仕事上の悩み事とかを忘れてゲームに没頭できるので心がリフレッシュされます。

頭を使う=結構疲れるので頭と体を休める時間は別に取るとよいでしょう。

・歴史を勉強したくなる

ゲームに出てきた国、人、イベントは史実に準拠しています。遊んでいるうちに「この国家元首は誰だ?」とか「なんでこの国はこんなイベントが?」とか「なんでこの国とこの国は仲が悪いんだ?or良いんだ?」等と思うことも結構あり、自然と歴史を勉強しようという気持ちになります。

私も元々歴史は好きなほうでしたが、このゲームをきっかけにさらに勉強する気になり、何冊か歴史の本を買って読むようになりました。

・世界地図が覚えられる

ゲームをやるにあたり、戦略的に重要な場所はどこかとかは当然考えることになるので、やってるうちに世界地図を自然と覚えられるようになります。

私はセンター試験の地歴を世界史Bで受けた人なのですが、当時は世界地図が全然覚えられなかったので、授業中に先生の話を聞きつつノートに地図を書くなどして結構頑張って覚えていました。(地図見せて場所答えさせる問題とかもあったので)それでも、例えば東欧の国々の地理はさっぱりわからなかったのですが、今では頭の中でざっくりとした場所は分かるようになりました。(まあ当然WW2時代の地図なので結構今と違うところもありますが)

世界のニュースとかを見ていても、その場所がどこにあるかざっくりでもわかるだけでやはり解像度が違うわけで、これは結構嬉しい副産物でした。

やるにあたっての注意点

・非常に時間泥棒なゲームです。6時間でも半日でも丸1日でもずっとやれちゃいます。

ハマるとおうち時間が暇になることはまずなくなると思いますが、ハマりすぎると確実に生活に支障をきたすので気を付けましょう。steamで最も参考になったとされているレビューが「留年します」の一言であることがそれを物語っていると思います。

私も仕事に支障はきたしていませんが、ハマりすぎて他の趣味の時間が取れなかったり寝る時間が遅くなったりする現象が発生しているので、バランスをとってやりたいなあと思っています。

・これを読んで「よし買うぞ!」と思ってらっしゃる方が万が一でもいたら、ちょっと待つことをお勧めします。steamのゲームは全般そうですが、時々セールが行われて安くなります。このゲームも時々セールで最大75%オフ(!)になるので、急がないならその時に買ったほうがいいです。急ぐにしてもそのことをわかった上で買うほうがいいです。知らずに買うとセールしているのを見たときに悲しくなります。

DLCが色々ありますが、とりあえず最初はなしでいいでしょう。はまってきたら必要な分だけ購入するといいです。

・PCゲーム全般そうですが、プレイする前に自分のPCがゲームをするのに問題ないスペックかは確認しておきましょう。

・難しいうえにチュートリアルも不親切なゲームなので、最初のうちは全くうまくできないと思います。幸いなことに動画サイトには初心者向け解説動画やプレイ動画が結構あるのでそれを見つつ、wikiを読み込みつつ、失敗しながらもめげずにプレイしましょう。(購入検討のために解説プレイ動画をみるのもよいでしょう)

苦労した分だけうまくできたときの達成感は相当なものです。

私はゆらんこさんという方が投稿されている動画で勉強しました。少し古い動画ですが海軍以外のシステムは現状大きく変わっていないので勉強になりますし、単純に見ていて面白いです。

・バージョンによってシステムや設定が変更されているところやDLCで変わっているところもあるので、情報を参考にするときはどのバージョン準拠なのかとかどのDLCが入っているかはよく確認したうえで参考にしましょう。

特に海軍周りとか各国の挙動とかはDLCの有無やバージョンで変化が大きいです。逆に現状空軍とか陸軍周りは大きな変更は少ないので、初心者が勉強する分には古いバージョンの情報でもめちゃくちゃ困ることはないと思います(ただし次のDLCで陸軍周りは大きくシステム変わる説あるらしいので注意)

 

長くなってきたのでこの辺にします。興味を持たれた方はぜひやってみてください。繰り返しますが時間泥棒なので受験や資格試験や就活を控えている人は終わってからやることをおすすめします。

おしまい。

*1:タンヌ・・・なんだって?